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観音寺 妙法蓮華経

お釈迦様がこの世に来た意味を明らかにするという要旨を持つ『妙法蓮華経』は、法華思想が盛り込まれている天太宗の根本的な経典であると同時に、韓国の仏教経典の一つとして、一般的に『法華経』で呼ばれている。『華厳経』『金剛経』とともに、仏教の代表的な大乗経典として知られている。

観音寺が所蔵している『妙法蓮華経』は、鳩摩羅什が翻訳し、戒環が解釈した底本で、朝鮮時代の名筆である成達生と成槪の兄弟が親の冥福を祈願するのを目的に清書した『法華経』を版下絵にした。1405年に全羅道のトソル山・安心寺で道人の信文が主管して、木版に彫刻したことを後で印刷したものだ。初刊ではなく、後に印刷したものであることわかる。計7巻2冊で、4~7巻の第2冊のみ残っている。全体的に上下が湿気によっていたんでいるなど、沈水の痕跡が一部に見られた。

観音寺が所蔵している『妙法蓮華経』は、朝鮮時代の前期である太宗(朝鮮時代第3代の王、在位1400∼1418)の時に版刻で印刷したもので、朝鮮時代前期の仏経および書誌学の研究に重要な資料だと言える。仏教史的にも書誌学にも価値のあるすばらしい文化財だ。

文化財の現況
文化財名 区分 内容 所在地 指定日
観音寺 妙法蓮華経 釜山広域市文化財資料 第60号 記録遺産
(木版本)
沙下区 チェソク路79番ギル
(タンリ洞)観音寺
2012年5月17日